何もかも「手遅れ」な親父 3

 

妹も色々あったが落ち着き、仕事に打ち込むようになった。我が家としては順調だった。

 

 

 

社会人になって思ったことは時間の流れが早いこと。寝て起きて仕事してお風呂に寝て起きて仕事…そんなことの繰り返しをしていたらあっという間に時間が過ぎてった。

 

 

社会人2年目。

母の元に親父から久しぶりに公衆電話がにて連絡があった。どうやら固定の住所がなく、会社の補助金か手当が貰えないので新居の住所に入れて欲しいとのことのようだった。勿論応じるわけがない。叔父のもとに行く事を催促されるが親父はそれを拒んだ。兄弟仲が宜しくないのと、兄は脳挫傷経験があり、少しおかしいところがあるので嫌だそうだ。そんな話をしてると電話が切れたようだ。テレフォンカードと言えど、携帯に公衆電話から電話すると恐ろしい速さで残高が減って行くからだ。その後、今度は会社の電話から連絡があり、仕方なく母は親父に話すべく出向いた。

 

 

帰ってきた母から話を聞くと、家を出るときまん丸だった親父は痩せこけ、親父からおじいさんになりかけていたそうだ。母を見つけると美味しい肉料理屋があると言い、いきなりステーキに連れて行き、ご馳走してくれたようだ。そんな嬉しかったのか親父。

 

 

久々に会った母をステーキの立ち食いに連れて行き、一体なんなんだと思いつつ話を聞いてると一緒に住みたいと言い出したようだ。母はもう離婚しているので応じる訳がない。叔父の家もとい、父方のおかんの家に行きなさい。と母は話したようだ。僕が聞いた話はここまでで、その後、親父から母へ連絡はこなくなった。